にいがた中善
株式会社 中善酒店
〒950-0865
新潟県新潟市中央区本馬越2-13-2
営業時間 9:00-19:30
電話番号 025-245-6769
FAX番号 025-245-6769
定休日 日曜・祭日
自店の方針でネット販売は致しません。
又銘柄の紹介も控えさせていただきます。
御問い合わせは電話か、当店にてお願い致します。(未成年の方はお断り致します。)
【 目 次 】
蔵元は常々言われている
「私どもの蔵は特別な事はやっていない。当り前なことを当り前にやっているだけです。」と。
かれこれ十年前、石本会長から「酒造りの大変さを経験してみないか、」と言われ1月からの一ヶ月間、蔵で造りを体験させていただいた。
寒に入っているから麹室以外はどこへ行っても寒い、その寒さの中で動き回る蔵人の吐く息だけが熱を帯びている。当時は酒粕の袋詰めは重労働だったし、床に広げた大吟醸の蒸米の手入れも楽ではなかった。
酒造りは見聞きするのと体験するのでは大違い、朝8時に仕事が始まったがこの頃になると酒母や醪の成分は大体分析値が出ており、それを指標に先々の温度経過などを決めているらしい、分析するサンプルは7時前には汲み終っているというから目に見えないところで着々と仕事が進んでいることが後になってわかったことだ。
石本酒造は、原料にこだわっていると聞いていたが多々ある蔵の中で質の良さは抜けているだろう。米は高精白になる程給水が速くなるとは聞いていたが担当者はレギュラー酒の原料でさえ何度も網で米をすくって水を切るタイミングを測っている。1種類の酒を造るにも蒸米の種類は麹で4種類、掛米で4種類の計8種類になる。蒸し上がりの硬さ(やわらかさ)が全部同じではない。
まるで大吟醸並みの扱いだ。酒造りのスタートがそうであるから麹造り、酒母造り、醪管理も精緻を極めている。
蒸米の水分1%の差、麹造り、酒母、もろみの温度0,5度の差は大きいという。
蔵の設備は最新鋭の設備がそろっている。それだけの設備が備わっているのに蔵人の数は全く減っていない。
酒の生産量を増やすことではない、質を上げる事に設備投資をする、当り前な事を当り前のようにやっている、蔵の考え方である。
私が蔵勤めを終えた時、蔵元が言った言葉は、
「見たこと、聞いたこと、経験したこと誰にいってもいいよ。」
そうなんです、秘密なんかない、旨酒を造り続ける事は、いい酒米を使い、蔵人が一生懸命目標に向かって進み続ける事が大切なのです。
頑なに日本酒を造る。越乃寒梅 叶ホ本酒造、が見えました。
日本酒に関して、よくある質問
Q1 ラベルに打ってある日付は?
A1蔵元で瓶詰をした日にちです。「酒税の保全及び酒類業組合法」に基づく告示では製造年月を表示することになっており、販売を目的に容器詰めを行った年、月を表示することになっています。長期貯蔵酒で例えば5年前に瓶詰をした場合、5年間の貯蔵は製造工程の一環としてみなされますから5年前の瓶詰め時を製造年月とすることはできません。
告示では製造年月となっていますが、メーカーによっては年、月、日まで入れているところもあります。
また、輸入清酒の場合、相手国(製造国)に製造年月の表示義務が無い場合は輸入年月を以って製造年月に替えることになっているそうです。
Q2 日本酒は瓶詰め後どれ位の期間飲めるのですか?
A2 開封しない限り飲めなくなることはありませんが、味や香りは保管条件と酒の製造条件によって変化の度合いにかなりの差が生じます。
保管条件は暗くて低温ほど変化が少なく、製造条件では高度精白ほど、また低温発酵を行い粕を多く出した酒ほど変化が少ないことが経験的に知られています。最近無濾過の表示がときおり見られますが、同じ酒であれば濾過した方が変化が少ないので無濾過清酒は保管が一層厳しくなります。
Q3品質の良い酒は冷やで飲めと言いますが?
A3
冷やで飲むべきと言えるのは生酒や比較的熟成の浅いフレッシュな酒です。芳香の強い酒も温めるべきではありません。
一方お燗(ぬる燗を基本とします)の方がおいしいのは十分に熟成させた酒で、吟醸酒とて例外ではありません。芳香を抑えた味吟醸などはむしろぬる燗の方がおいしいでしょう。勿論冷やでもいけます。
熱燗は冷えた身体を暖めてくれますが、酒を味わうには不向きな飲み方かもしれません。
「品質の良い酒は冷で飲め」というのは居酒屋さんの都合以外に根拠はありません。
Q4 日本酒の甘口、辛口はどうやって決めるのですか?
A4 人によって甘く感じたり、辛く感じたりということでは客観性が無く困りますので昭和49年に日本酒度と酸度をもとに甘辛度を示す計算式が国税庁醸造試験所から発表されました。これによって平成16年までの30年間にわたって甘辛度を表示して来ましたが、計算が複雑なうえに実態に合わない面も出て来ましたので平成16年から次の式によって甘辛度を算出することにしています。
甘辛度=ぶどう糖濃度(g/100ml)―酸度
その値が0.2以下を辛口
0.3~1.0をやや辛口
1.1~1.8をやや甘口
1.9以上を甘口
つまり、甘辛についてぶどう糖の多少だけでなく酸度が影響することが以前よりわかっています。
例えばぶどう糖濃度1.5(市販酒の中では少ない方)、酸度1.2(一般的)の酒の甘辛度は0.3となりやや辛口となりますが、酸度が1.3になると0.2となり辛口と判定致します。ですから甘辛度はぶどう糖濃度と酸度のバランスによると言えます。
Q5 居酒屋で冷酒とか生酒とかお品書に書いてありますがどんなお酒ですか?
A5 冷やでおいしい酒が冷酒として供されますが、内容については約束事があるわけではありません。フレッシュな香りの酒も熟成の効いた味に深みのある酒も共に冷酒として用いることができます。
生酒は文字通り生の酒で、搾ってから一度も火入れ(熱殺菌)をしていない酒です。酵素が失活していないので香りが変化しやすく保管には注意が必要です。フレッシュな香味が求められるというのが生酒の特性です。
Q 6日本酒の糖分が気になるのですが?
A6日本酒の糖分(ぶどう糖)をご飯に換算すると何グラムになるか。
1、辛口といわれる清酒の糖分は1.5%位です。
1合(180ml)飲むと2.7gのぶどう糖を摂取することになります。
2合(360ml) 〃 5.4g 〃 。
2、ご飯を食べると体内で、でんぷんがぶどう糖に変化します。
(C6H10O5)n+ nH2O → nC6H12O6
つまり162gのでんぷんが加水分解されると180gのぶどう糖ができます。
3、5.4g(酒2合)のぶどう糖に相当するご飯の量は何gでしょうか。以下のとおり約13gになります。
白米のでんぷん価を75とします。ごはんの水分を100%(白米が水を吸って2倍の重量になっている)とします。
5.4×180分の162 =4.86g→でんぷんの重量
0.75分の4.86=6.48g→上記でんぷんに相当する米の重量
6.48×2=12.96g →上記の米がご飯になった時の重量。
4、それでは、このご飯13gということはどの程度の量でしょうか。女性2名にひとくち分のご飯をお箸でとってもらい計ってみました。
2名の合計が29.48でしたからひと口分が14.74(約15g)ということになります。
即ち、日本酒2合に含まれるぶどう糖はご飯ひと口分以下ということなのです。
1.旨い酒とは
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ところで旨い酒とは何ぞやということになると、味覚の問題であると同時に酒は嗜好品ですから個人個人が旨いと思えばそれでいいんじゃないかということかもしれません。 しかし、日本酒に限らずワイン、ウイスキー等世界に目を向けても高級酒と一般酒が有り、それは何百年もの年を経て広く世界に認められていることから単に個人の問題に留まらず、やはり何か酒そのものに評価されるべき何かがあるに違い有りません。
我が国の醸造学、発酵学の権威であられた故坂口謹一郎先生は酒について次のように言っておられます。
「全ての学問にも芸術にも初等と高等とがある。そして初等は大衆に通じ、高等は特殊なクラスに通じる。酒も一種の芸術であるからその例外では有り得ない。しかも奥深いくせに、それを感得し表現する手段に乏しい為に、これを正しく鑑賞するには特別な深い経験と教養とを要する。それ故に酒には特に大衆酒と高級酒との別が自然に発生する傾向がある。」
坂口先生は酒は芸術だと言っておられますが、これは視覚には絵画という芸術が、聴覚には音楽という芸術がある。臭覚、味覚の芸術は酒だと言っておられるのです。
酒を呑む時にこれは大衆芸術か真の芸術かなどと考えたことはありませんし、呑む方もそれぞれ独自の主観や感情を持っているわけですからめいめいがその酒の美点を見いだして、これを楽しめばよいとおもいます。
坂口先生はこの点について「酒の姿にいかような極端な癖や特徴があろうともそれはその酒の持ち味であり、めいめいの好き好きによることでも有るが、酒質の調和だけは日本酒に限らず世界の酒を通じての大切な基本的性格だ。これをわかりやすく表現すれば“さわりなく水の如くに飲める”ということである。」と述べておられます。
酒は、うちに数え切れないほどの複雑性をもっているけれどさり気ない姿こそ酒の無常の美徳であろうともいっておられます。
そして例をあげて「おいしいクリームを含む牛乳が特に美味を感ぜず、太陽の光線が、内に七色の光をもちながら何の色も示さないのとおなじだ。」と。
実にわかりやすく、言い得手妙という気が致します。
それでは、この“さわりなく水の如く飲める”或は“複雑性をもっていながらさりげない姿”とはどうゆう酒をいうのでしょうか。
日本酒には数百の成分が含まれているといわれています。そして香りや味に直接関係のある成分が少なくありません。どの成分が突出してもさりげない姿からは離れてしまいます。吟醸酒のあの芳香でさえ高すぎると料理の風味を損なってしまいます。酔いに強い弱いはあるけれど結局は呑む程に盃がすすむ、飽が来ないというのがよい酒、旨い酒ということになるのでしようか。
2旨い酒はどのようにできるか。
新潟県の酒は淡麗辛口と言われています。そしてそれぞれの県の酒を大きなタンク1本に入れ、各県の酒としてみればその酒質は全国―であろうと言われています。このことは一定の水準以上の酒が多いことをしめしています。
酒造りには不純物(鉄分、マンガン、有機物)が少なく飲んでおいしいさわやかな水、良い原料米、そして技術の3つが不可欠であると言われています。水は阿賀野川、信濃川という有数の大河を有し、水が枯れたという話は聞いたことはありません。新しい製造所でも100年の歴史を有していますからまず水の心配はありません。
つぎに米です。新潟県は全国―の米所だからと思っておられる方達が多いと思いますが、決定的なことではありません。現在では米はどこからでも買うことができます。安い米がほしければ北海道からでも九州からでも持ってくる事ができます。
しかしそうしないで県産米を使うのはまさに経営者がどのような酒を作ろうとしているかという姿勢にかかわっているようにおもいます。米に関してもうひとつ大切なことがあります。産地、品種、等級、の他に精米歩合、つまり米をどこまで磨くかというのが酒質に大きく関わって来ます。米を白く磨けば磨くほど多くの玄米が必要になりますからコストを押し上げることになります。しかし、この高精白こそが新潟県の淡麗辛口を支えていると言っても過言ではないと思っています。辛口の酒というのはエキス分が少ないのですが、このエキス分の約60%は米由来のブドウ糖等の糖分です。甘味が少ないと(つまり辛口にすると)欠点が目立ちやすいのです。その最大の欠点というのは雑味と専門家は表現していますがザラザラした味のことでこれが多くなると味が汚いとか柄が悪い酒ということになります。そこでこの雑味を出来る限り少なくしたいわけでそのためには米を白く磨くことなのです。その他にも発酵温度を低くするとか粕を多くだすとか麹の形を変えるとか技術でカバーすることが少なくないのですが基本は高精白ということになります。
話の方向を少し変えます。今日本酒の市場は大きく分けて価格競争(安売りの経済酒)の土俵と品質競争の土俵に分かれています。県内の蔵元は大規模、中小規模ともこの品質競争をやっています。このことが県産酒のイメージ向上と品質向上に連がっていることは否定のできない事実であると思います。
A
米を白く磨くことによって、そして辛口の酒を造る事によってスッキリとした上品な味わいの酒ができる。これが新潟県の特徴だということを申し上げました。ならば、どの銘柄も同じようなものかと問われればイエスというわけには参りません。
酒造りというのは、麹菌と酵母と2種類の微生物によって酒ができることは皆様ご存知のとおりです。この2つの微生物をどうやってコントロールしているかと言うと全て温度の上げ下げでその生育や働きをコントロールするのですが、蒸し米の硬さが少し違っただけで生育や働きが変わってきます。米を洗い、水を吸わせコシキで蒸すのですがこれは人手によって行います。おなじ品種の同じ精白歩合の米を使っていても毎日の水温、気温、湿度、が変わると同じようにやっていても微妙に蒸し米中の水分の量が違ってきます。精米後1週間の白米と2週間の白米では水を吸う速度が変わってきます。精米歩合が65%と55%の米でも吸収速度が違います。
米一つとってみてもこんなにややっこしいわけですから同じように例えば30本の仕込みをやったとしても微妙に酒の味は違ってくるのは当たり前なのです。
まして、製造所が違えば、水、原材料、設備、機械、技術等全てが違うのですからかなりの差が生じることはおわかりいただけると思います。
B
昔はもっと日本酒が旨かったというお年寄りに出会うことがあります。
戦後60年経ちますからここでいう昔とは80歳の方でも昭和20年以降の酒と考えても良いと思うのですが、社会情勢とか専門家の話等を混じえて考えてみたいと思います。
終戦を迎える昭和23年、更に21年、22年、23年と食料事情の悪化で日本酒は減り続け、昭和23年が史上最低で現在の7文の1位まで落ち込んでしまいます。国家総動員法という法律のもとに、酒の原料米は割り当てですし、米は87%までしか磨いてはいけないと規制されていました。現在の飯米の精白歩合は92〜90%と言われていますからそれよりも一寸白かっただけで、この87%は昭和28年になって75%に変更され、昭和35年になってようやく自由化になります。米が黒いと(磨きが十分でないと)カリウム等のミネラル、タンパク質、脂肪等が多くてこれは酒の雑味成分であるうえ、酵母の働きが急激過ぎて、酸味も苦味、渋味も増えます。酵母の働きが急激というのは発酵温度がどんどん上昇するということで冷房設備も無い時代ですから低温発酵が基本の日本酒にとっては誠につらい状況であったわけです。それでも酒は飛ぶように売れたそうです。量が少ない上にビールも日本酒と同じ位しかなく、焼酎と合成清酒を加えて酒類全体で現在の5分の1程度(昭和34年でさえ)だったのです。
昭和40年代に入って経済成長とともに、灘、伏見の酒が急成長をとげます。
甘口全盛時代です。1級酒以上しか出荷していない大手企業もありました。
新潟県も99%は甘口の酒をだしていましたしナショナルブランド対地酒は市場の片隅といったら叱られるかも知れませんが少なくとも幅をきかすという状況では有りませんでした。この頃の酒は地酒対ナショナルブランドという見方をすれば酒質においてもナショナルブランドに分があったそうです。
C
事態が一変するのは昭和48年の第一次オイルショックで、それまで破竹の勢いだった一級酒に代わって二級酒が増え続けます。
昭和50年に入って地酒中堅メーカーが本醸造協会とか純米酒協会を立ち上げ、アルコール添加量の多いナショナルブランドに対抗します。純米酒やアルコール添加量の少ない本醸造は米を磨かないと級別審査に受かり難いのです。地酒メーカーは米を磨き始めます。品質競争の始まりです。
平成4年になって級別制度が廃止されます。ナショナルブランドは市場のシェアー確保から価格競争にまい進し、イメージを大きく損なって今日に至っています。1.8Lで1.000円以下の日本酒もありますがこうゆう価格は生産性を上げただけではとても達成できないというのが常識となっています。
話が横道にそれてしまいましたが、昔の酒にも時代の流れとともにまた、地域によってかなりの浮き沈みがあったことは述べたとおりであります。しかし、今後更に旨い酒ができてくることを期待しています。
3 旨い酒はどうしてみつけるか。
吟醸酒、本醸造酒、純米酒等の表示のある酒を特定名称酒と言います。これらの酒は3等以上の米を使うこと、精白歩合を表示すること、アルコールの使用量(吟醸酒、本醸造酒)が法律の規定に基づき定められています。
そのほかにこれはメーカーの任意表示ですが、米の品種が書いてあったり、飲む温度は何度とか甘辛度がどれ位だとかを裏ラベルに表示してあるものがあります。中には酒販店向きに酸度とかアミノ酸度まで表示してあるのもあります。
これらの情報は果たして旨い酒かどうかの助けになるのでしょうか。こうした情報を出すことによってメーカーは一定のしばりを受けると同時に商品をよく見て貰いたいという希望の表われと見ることが出来ますから熱心であることは間違いありません。
しかし、こんなこともあるのです。例えば品質に最も影響を与える精米歩合、55%の酒と50%の酒があったとします、50%の方が米はよく磨かれていると誰もが思います。ところが55%の方は米が五百万石、50%の方は一般米だったとすると仮に両方とも1等米を使ったとしても55%1キログラムが527円50%1キログラムが501円で55%の方が価格が高いのです。
酒造りに最高の米とされる山田錦を使った場合の55%と50%ではどうでしょうか。米の等級は書いてありませんから55%が特等を使い(実際に新潟にあるのです)ますと55%1キログラム798円一方50%の方が2等米だとすると1キログラム710円3等米だと1キログラム650円となります。従って数字のみで原料の良し悪しを判断することは出来ないことになります。
それならば何を頼りにするか。結局自分の舌を信じるより他は無いということですが、一般論として世間で評価の高いものは、それなりの根拠があり、それは一朝一夕に出来上がったものではなく長い期間にわたっての人々の評価の結果とみると無視できないとおもいます。
清酒の製造工程
・純米酒 純米酒とは、醸造用アルコールを入れない工程の酒です。 ・吟醸酒 吟醸酒とは、精米の工程で精白を60%以下に擦った米でなおかつ低温で醸造した酒です。